特集 各地で進む災害リハビリテーション支援システム
長崎県における災害対策と災害リハ支援の組織化
高柳 公司
1,2,3,4
1長崎災害リハビリテーション推進協議会
2公益社団法人長崎県理学療法士協会
3医療法人社団東洋会池田病院リハビリテーション部
4医療法人社団東洋会池田病院介護保険事業部
pp.105-109
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200032
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はじめに
2011年3月,東日本大震災の避難所生活において,高齢者が生活不活発により種々の病態が起こり,寝たきり状態となることが危惧され,リハ医療関連団体が支援団体(東日本大震災リハビリテーション支援関連10団体)を結成し,組織的なリハ支援活動を実施した。この経験から,災害時には救命・救助のみならず,環境整備や生活不活発を予防し,早期に安心した生活の復興を成し遂げるためのリハ支援が重要であることが明らかとされ,2012年7月,大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(Japan Rehabilitation Assistance Team:JRAT)と名称変更を行い,全国および各都道府県レベルでの災害リハ支援の組織化が行われている。
筆者の勤務する池田病院がある長崎県島原市は,1990年11月から1995年2月までの4年3カ月継続した雲仙普賢岳の火山災害を経験した。内閣府の中央防災会議の災害教訓の継承に関する専門調査会による「1990-1995雲仙普賢岳噴火報告書」(2007(平成19)年3月)によると,教訓の中に「避難所生活が長期にわたり,心身両面の健康に配慮した避難前のコミュニティでの集団生活の実現や,災害対策業務にあたる自治体職員の労務管理も課題となった」との報告もあった。
このように,長崎県でも大規模災害発生後のリハ支援の重要性は理解されており,県内のリハ関連団体の結団により,2013年10月「長崎災害リハビリテーション推進協議会(長崎JRAT)(代表:松坂誠應)」が結成された。今回,長崎JRATの活動などについて紹介する。
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