巻頭言
専門性という阻害的要因について
丸山 泉
1,2,3
1医療法人社団豊泉会丸山病院
2一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会
3公益社団法人全日本病院協会
pp.6-7
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200002
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19番目の基本領域の専門医として認められた「総合診療専門医」の一般社団法人日本専門医機構での協議に一委員として参加している。専門性と統合性という一見相反するものを,新専門医として協議しているのであるから,なかなかご理解いただけないところもあるが,分化し専門化してきたこれまでの歴史と,現在に至っての時代の要求は,医療ばかりではなく,すべての職業的なものについて同様なのであろう。後世,21世紀になってからの最初の四半世紀が,おそらく文化史的には過度な分化から統合への再構築の時代であったと評価されるのではないだろうか。もちろん,統合は,例えば総合診療専門医について言えば,昔のかかりつけ医への先祖返りをすればいいというものではない。21世紀の統合論でなくてはならない。
リハの世界も,おそらくこの2つの命題にどう決着をつけるかが課題になるだろう。乱暴に分類すれば,専門医療としてのリハ医学と,専門家の介入を限りなく排した広義のリハである。特に地域という冠がこの言葉につくと問題はもっとやっかいになる。
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