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特集 脊椎脊髄手術 術中・術後出血をいかに減らすか!
顕微鏡下除圧術における術者熟練度別の出血量と手術時間の比較—各種止血材の特性とその費用対効果の検証
Cost-effectiveness Analysis of the Change of Topical Hemostatic Agents in Spinal Microsurgery
兼松 龍
1
,
高橋 敏行
1
,
南 学
1
,
佐藤 詳
1
,
花北 順哉
1
Ryo KANEMATSU
1
,
Toshiyuki TAKAHASHI
1
,
Manabu MINAMI
1
,
Sho SATO
1
,
Junya HANAKITA
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
1Spinal Disorders Center, Fujieda Heisei Memorial Hospital
キーワード:
顕微鏡下手術
,
microsurgery
,
出血量
,
blood loss
,
局所止血材
,
topical hemostatic material
Keyword:
顕微鏡下手術
,
microsurgery
,
出血量
,
blood loss
,
局所止血材
,
topical hemostatic material
pp.617-621
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202375
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はじめに
脊椎脊髄手術において,骨や硬膜外静脈叢,近傍筋組織からの出血コントロールを確実に行うことは,手術合併症や術後血腫形成による神経障害を防止するために重要である.手術用顕微鏡を用いた脊椎脊髄手術は,緻密な神経除圧操作だけでなく出血点を正確に認識することを可能にし,より安全な手術を行うことに貢献してきた.動脈性出血ならばピンポイントで凝固止血,静脈性なら圧迫止血が基本であるが,出血点を綿片で押さえながら少しずつずらして出血点を同定したり,止血材の上から綿片で圧迫するのも,microsurgeryの基本手技の1つである.昨今,さまざまな局所止血材があるが,何を使用するかは外科医の判断に委ねられていると推測される.局所止血材の特徴を熟知することは,適切かつ効果的な止血につながり,手術時間の短縮や手術合併症の低減につながると考えられる.
本稿では,これらの局所止血材の特徴を概説するとともに,顕微鏡下脊椎脊髄手術における熟練度に応じた出血量の変化や局所止血材にかかる医療コストと術後出血に対する再手術率の変化についても記載する.
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