特集 各神経ブロック,関節ブロックの実際
特集にあたって
松山 幸弘
1
1浜松医科大学整形外科
pp.469
発行日 2024年8月19日
Published Date 2024/8/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202340
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
現在,新たな技術や治療法が日々開発されているが,その中でも,エコー下での神経ブロック注射や関節注射は,痛み治療や麻酔において画期的な進歩といえる.今回は,痛み治療に有効な各神経ブロックや,関節ブロックの実際を特集した.
神経ブロックは脊髄高位診断をするうえで重要であることはいうまでもない.特に頸椎症性神経根症,腰部脊柱管狭窄症において,画像所見だけでは責任高位診断が困難な場合は神経根ブロックが助けとなる.また診断だけではなく,痛みの治療の一環として,多くの脊椎外科医,痛みクリニックの麻酔科医が利用している.末梢神経や神経根の走行は最近のエコー画像の進歩で詳細に描出されるようになり,これまでX線透視下で骨形態を目安に行ってきた神経ブロック注射や関節腔内注射を行う必要も少なくなってきた.エコーガイド下での注射は,従来の方法と比べてより安全性が高く,精度も向上している.医師はリアルタイムで注射針の位置を確認し,周囲の組織や神経を損傷するリスクを最小限に抑えることができる.また,エコー画像による視覚的な情報は,診断にも役立つ.病変や異常な組織の存在を確認し,適切な治療計画を立てるうえで欠かせないツールとなっている.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.