特集 腰椎椎間板ヘルニアに対する化学的融解術NOW
特集にあたって
松山 幸弘
1
1浜松医科大学整形外科
pp.1043
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201264
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
腰椎椎間板ヘルニアに対する化学的融解術の歴史は長い.腰椎椎間板ヘルニアに対するコンドリアーゼの化学的融解術がPMDAに承認され1年が経過したが,このコンドリアーゼが臨床応用可能となるまでの20年は長い期間であった.本特集ではその歴史を酵素抽出から携わった岩田 久名古屋大学名誉教授に執筆いただいた.さらに歴史を振り返ってみると,忘れてはならないタンパク分解酵素であるキモパパインがある.この治験に携わられた山崎正志教授にもその結果と問題点についてご執筆いただいている.また,波呂浩孝教授には腰椎椎間板の基礎構造,脱出ヘルニアの基質特異性や自然消退のメカニズムを論述いただき,さらにはMMP-7の椎間板ヘルニアへの臨床応用の可能性について執筆をお願いした.また,私とともにコンドリアーゼの治験に長く携わってこられた千葉一裕教授には,適正な患者適応,インフォームドコンセント,注入手技の詳細とその注意点,また注入後の患者ケアでのポイントを記載していただいている.そして,現在市販後1年を経て,使用成績はどうなのか,どのようなヘルニアタイプが最も効果があるのか,そして適応の見直しは必要なのかについても,現在最も多くの投与経験をもつスペシャリストに意見をうかがった.最後に,手技料の妥当性について,日本脊椎脊髄病学会の社会保険委員会委員長の遠藤健司先生に検討を加えていただいた.読者の方々にはきっとご満足いただける内容になっていると確信している.
Copyright © 2019, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.