Japanese
English
特集 脊椎・脊髄の発生と進化
脊髄の発生
Spinal Cord Development
笹井 紀明
1
Noriaki SASAI
1
1奈良先端科学技術大学院大学
1Nara Institute of Science and Technology
キーワード:
神経前駆細胞
,
neural progenitor cells
,
グリア細胞
,
glial cells
,
シグナル因子
,
signal molecules
Keyword:
神経前駆細胞
,
neural progenitor cells
,
グリア細胞
,
glial cells
,
シグナル因子
,
signal molecules
pp.335-340
発行日 2024年6月7日
Published Date 2024/6/7
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202313
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はじめに
脊髄は脳と並んで中枢神経系を構成する器官であり,環境から全身に入ってくる感覚を脳に,また逆に脳からの指令を末梢に伝達する役割をもつ.脊髄神経の発生・分化は胚発生の初期から始まり,前駆細胞が徐々に機能性細胞へと変化しながら,胎生期を通して発達していく.この過程で出現する細胞には,神経細胞(ニューロン)のほか,それを支持するグリア細胞があり,さらに神経,グリア細胞の中にもそれぞれ個性が存在する.本稿では,前駆細胞が分化しながら個性を獲得し,機能性の細胞へと変化する過程,またそれらが正確に配置されるメカニズムを概説する.また後半では,脊髄神経を試験管内で分化させる方法や,脊髄損傷時に起こる神経新生の過程についても述べる.
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