Japanese
English
特集 脊椎・脊髄の発生と進化
脊椎動物における脊髄の比較解剖
Comparative Anatomy of the Spinal Cord in Vertebrates
船越 健悟
1
Kengo FUNAKOSHI
1
1横浜市立大学医学部神経解剖学
1Department of Neuroanatomy, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
脊椎動物
,
vertebrates
,
脊髄
,
spinal cord
,
系統発生
,
phylogeny
Keyword:
脊椎動物
,
vertebrates
,
脊髄
,
spinal cord
,
系統発生
,
phylogeny
pp.327-333
発行日 2024年6月7日
Published Date 2024/6/7
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202312
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
哺乳類の中枢神経系は再生能が低く,成体で脊髄が損傷されると,機能が回復したり,切断された軸索が再生したりすることはない.一方,魚類や両生類,爬虫類では組織が修復し,軸索も再生することが知られている11).こうした高い再生能力は,以前は脊髄の構造の幼若性に起因するとされてきたが,現在では放射状グリアなどのグリア細胞や,免疫細胞の働きに焦点が当てられている14).脊椎動物の中枢神経系の構造は,動物の棲息環境や生態的地位を反映している.脊髄は系統発生の過程で比較的変化の少ない部位と思われがちだが,水棲から陸棲への変化により,感覚受容と運動様式にさまざまな変化が生じ,その変化は脊髄の構造にも反映されている.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.