Japanese
English
特集 始まった! 脊椎ロボット手術
ハイブリッド手術室でのCirqを用いた側弯症手術
Robot-assisted Scoliosis Surgery Using Cirq in a Hybrid OR
大場 悠己
1
,
池上 章太
1
,
上原 将志
1
,
黒河内 大輔
1
,
根尾 昌志
2
,
髙橋 淳
1
Hiroki OHBA
1
,
Shota IKEGAMI
1
,
Masashi UEHARA
1
,
Daisuke KUROGOCHI
1
,
Masashi NEO
2
,
Jun TAKAHASHI
1
1信州大学医学部附属病院整形外科
2大阪医科薬科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shinshu University Hospital
キーワード:
ロボット支援手術
,
robotic surgery
,
椎弓根スクリュー
,
pedicle screw
,
小児側弯
,
pediatric scoliosis
Keyword:
ロボット支援手術
,
robotic surgery
,
椎弓根スクリュー
,
pedicle screw
,
小児側弯
,
pediatric scoliosis
pp.45-50
発行日 2024年1月26日
Published Date 2024/1/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202252
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はじめに
近年,ロボット手術支援システムの臨床導入が脊椎手術の領域で広がってきている.当科では脳神経外科と共同で2022年6月に手術支援ロボットアームCirq®(以下,Cirq;Brainlab,ドイツ)を導入した.2018年6月にハイブリッド手術室に導入済みのロボットアームによる多軸透視・撮影システムARTIS pheno®(シーメンス,ドイツ)と,それに連動する手術用ナビゲーション(ナビ)システムCurve® Navigation(Brainlab,ドイツ)の追加機能としての手術支援ロボットアームである.これにより,術中CTナビと連動したロボット支援手術が可能となった.
手術支援ロボットに何を期待するかは術者によりさまざまだと思うが,われわれは椎弓根スクリュー(pedicle screw:PS)をより正確に意図した場所に刺入することを最大の目的としている.
これについて,“術中CTナビを用いることでPS刺入精度は十分に高まっているため,ロボットに求める能力は精度向上ではない”との意見を聞いたことがある.それも一理あるが,われわれはPS刺入精度がすでに十分高まっているとは考えていない.実際,小児側弯症に対する術中CTナビを用いたPS刺入のシステマティックレビュー1)では,2mm以上のPS逸脱が6.0%,4mm以上の逸脱が1.2%と決して低い値ではなかった.
本稿では,側弯症手術において“Cirqを利用して1回の術中CT撮影で100%正確に10椎以上にPSを刺入する方法を確立すること”を真剣に目指すわれわれの取り組みについて報告する.
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