Nomade
ハイブリッドナビゲーション手術と側弯症
髙橋 淳
1
1信州大学医学部運動機能学教室(整形外科)
pp.87-88
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201046
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当科では1996年に,日本の中ではいち早くナビゲーションシステム(StealthStationTM)を脊椎手術に導入しました.手順としてはまず,術前に1.25mmスライスで脊柱CTを撮影し,DICOMデータとしてCD-Rに保存します.ナビゲーションのプランニング用PCにこの画像情報を読み込み,手術予定の椎骨に挿入するスクリュー径と長さを計測します.手術では棘突起にリファレンスフレームを設置し,レジストレーションを行うことでコンピュータ上の画像情報と術野における椎骨の位置関係を一致させます.レジストレーション後は術者が術野内で示す部位と方向が,コンピュータ上でリアルタイムに確認できます.
私は1998年に大学に戻り,このナビゲーションを使った手術を上司の先生から教わりました.当時はリウマチ頸椎の患者が多く,変形し脆弱で小さなリウマチ患者の頸椎に椎弓根スクリューを挿入することは危険性を伴いました.ナビゲーションを使うことでリウマチ頸椎再建手術をより安全で正確な手術にできないかと考え,ナビゲーション支援下で椎弓根スクリューを挿入する手術の症例を重ね,2007年にEuropean Spine Journalに報告しました.その後,頸椎のナビゲーション支援手術について経験を重ねてpaperを出してまいりました(World Neurosurg 2010,Asian Spine J 2012,Eur Spine J 2014,Asian Spine J 2014,Spine J 2016,Asian Spine J 2016,Eur Spine J 2017,Spine J 2017).
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