感覚障害

Neurologic Examination of Sensory System

はじめに

　脊髄・末梢神経疾患ではほとんどの場合，感覚障害を生ずる．運動系のみを選択的に侵す神経変性疾患や代謝性疾患は別として，圧迫，炎症，腫瘍，血管障害などの脊髄の局所性病変や末梢神経疾患では，通常は感覚障害をきたし，しかも初発症状となることも多い．したがって感覚系の正確な評価は，病変の局在診断にも，また治療後の経過追跡にも必要である．本稿では，病歴聴取や基本的な感覚系の診察法について，評価のポイントや問題点を含めて論じる．感覚系を含む神経診察のより詳細については，岩田^5）やDeJong^1）の教科書を参照されたい．