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特集 わかればみえる! 脊椎手術術野へのアプローチ
仙骨S3離断に必要な解剖
The Essential Anatomical Knowledge for Sacrum Resection at S3 Level
秋山 達
1
Toru AKIYAMA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター総合医学2整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Saitama Medical Center, Jichi Medical University
キーワード:
仙椎離断術
,
sacrectomy
,
手術手技
,
surgical technique
,
術後合併症管理
,
control procedure for postoperative complication
Keyword:
仙椎離断術
,
sacrectomy
,
手術手技
,
surgical technique
,
術後合併症管理
,
control procedure for postoperative complication
pp.729-733
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202182
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はじめに
第三仙椎(以下,S3と記載)の切断の適応とその解剖に必要な知識について,解剖学的なメルクマールや注意点を中心に述べる.S2/3仙椎離断自体は非常に単純な手術である.皆さんは仙椎切除の際にはこれまでどのようなものを参照されていたであろうか.骨軟部腫瘍切除の古典的教科書であるMalawerらのMusculosleletal Cancer Surgeryに記載されている内容を参考にされる先生方も多いとは思う2).筆者自身は教科書で勉強したのではなく,オーストラリアのSt. Vincent's Hospital Melbourneに留学している際にPeter Choong教授との手術中の会話から汲み取ったことがもとになっている.その際に教わったことは,ハンドテクニックをもとにして実際の臨床においては脊索腫や軟骨肉腫などの悪性腫瘍切除のために実施することがほとんどである.当センターでは大体年に1回は行う手術である.腫瘍切除においては軟部病変の大きさなどによって難易度は変わるが,S2/3での離断であればコツさえつかんでおけばそれほど大変な手術ではない.血管塞栓術もまず不要である.ハンドテクニックなど実践的な知識をもとに手術のコツを説明したいと思う.S2/3での仙椎離断の場合,S2両側の神経根を温存することを目的とし,腫瘤が腹側に突出していることが経験上多い.よって,この前提で論を展開する.
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