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特集 わかればみえる! 脊椎手術術野へのアプローチ
くも膜を温存した腹側髄膜腫,特発性胸髄ヘルニアの手術と歯状靭帯の解剖
Surgical Treatment of Ventrally Located Spinal Meningioma and Idiopathic Thoracic Cord Herniation with Special Reference to the Denticulate Ligament
星地 亜都司
1
Atsushi SEICHI
1
1社会福祉法人三井記念病院整形外科
1Department of Orthopaedics, Mitsui Memorial Hospital
キーワード:
歯状靭帯
,
denticulate ligament
,
髄膜腫
,
spinal meningioma
,
特発性胸髄ヘルニア
,
idiopathic thoracic cord herniation
Keyword:
歯状靭帯
,
denticulate ligament
,
髄膜腫
,
spinal meningioma
,
特発性胸髄ヘルニア
,
idiopathic thoracic cord herniation
pp.735-738
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202183
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はじめに
歯状靭帯は,脊髄の両側面において,軟膜下脊髄と硬膜を連結する白色の膜様組織である(図 1).頸椎後縦靭帯骨化症に対して椎弓切除が行われ始めたころ,脊髄の後方移動を目的として硬膜切開を行って歯状靭帯切離が行われていたことがあった(今は誰も行っていないが).また,脊髄の腹側寄りの腫瘍性病変切除のために,切離した歯状靭帯の断端を把持して,そっと脊髄を回転させるという行為は,一部の脊椎脊髄外科医により古くから行われてきている.筆者が手術中に歯状靭帯を取り扱う代表疾患である,髄膜腫と特発性胸髄ヘルニアの手術手技を本稿では記述する.くも膜を温存したままで歯状靭帯を切離することで安全性の高い手術を行うことができる,という点でこの2つの疾患に対する手術方法は共通している.
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