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特集 Parkinson病と脊椎
Parkinson病の疾患そのものに起因する姿勢異常—オーバービュー
Postural Deformities in Parkinson's Disease: Overview
関 守信
1,2
Morinobu SEKI
1,2
1慶應義塾大学医学部神経内科
2慶應義塾大学病院パーキンソン病センター
1Department of Neurology, Keio University School of Medicine
キーワード:
腰曲がり
,
camptocormia
,
側弯
,
Pisa syndrome
,
首下がり
,
antecollis
Keyword:
腰曲がり
,
camptocormia
,
側弯
,
Pisa syndrome
,
首下がり
,
antecollis
pp.624-629
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202157
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はじめに
姿勢異常はParkinson病(PD)患者にみられる重要な徴候の1つで,James Parkinsonの著書「An Essay on the Shaking Palsy」の中にもすでにその記載がある.特徴的な姿勢は,肘および膝を軽く屈曲し,首は前方に突き出してやや下がり,背中を軽く丸めた前傾前屈姿勢(stooped posture:円背)であるが,ときに高度の姿勢異常を呈する症例が存在する.体幹の高度前屈姿勢(腰曲がり:camptocormia),側屈姿勢(側弯:Pisa症候群),頸部の高度前屈(首下がり:antecollis)などである.四肢にもstriatal handやstriatal footといった変形がみられることがあり,PDの姿勢異常は全身に認めるといっても過言ではない(図 1)30).これらの姿勢異常はほかの体軸症状と同様にしばしば治療抵抗性で,患者の日常生活動作(ADL)を大きく損なう.本稿では,体幹・頸部にみられる高度の姿勢異常について概説する.
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