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Spine & Spinal Cord Volume 36, Issue 5 （June 2023）

脊椎脊髄ジャーナル 36巻5号（2023年6月発行）

Japanese English

特集脊髄および末梢神経鞘腫瘍のすべて

神経鞘腫の細胞像 Cytological Appearances of Schwannoma 山口大介 ¹ , 原田美香 ¹ , 香田浩美 ¹ , 小寺明美 ¹ , 板倉淳哉 ² Daisuke YAMAGUCHI ¹ , Mika HARADA ¹ , Hiromi KODA ¹ , Akemi KODERA ¹ , Junya ITAKURA ² ¹公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院臨床検査技術部病理検査室 ²公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院病理診断科 ¹Pathology Laboratory, Kurashiki Central Hospital キーワード：神経鞘腫 , schwannoma , 穿刺吸引細胞診 , fine needle aspilation cytology , Antoni AとAntoni B , Antoni A type and B Keyword: 神経鞘腫 , schwannoma , 穿刺吸引細胞診 , fine needle aspilation cytology , Antoni AとAntoni B , Antoni A type and B pp.303-307

発行日 2023年6月30日 Published Date 2023/6/30

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202078

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はじめに

　神経鞘腫は，Schwann細胞への分化を示す良性腫瘍である．全身のあらゆる部位から発生し，頭頸部の皮膚および皮下組織，脳神経，脊髄，消化管などでの発生が知られている^8）．組織学的に，紡錘形細胞が束状および密に配列して増殖する領域（Antoni A）と，浮腫状あるいは粘液腫状の豊富な基質が主体で紡錘形細胞が疎に分布する領域（Antoni B）が混合してみられるのが典型的な像である．細胞診検査において，臨床的に認識された腫瘤性病変に対する穿刺吸引細胞診（fine needle aspilation cytology）で遭遇する．今回，典型的な神経鞘腫の細胞像に加え，非典型的な細胞像を解説し，細胞学的鑑別について述べる．