Japanese
English
特集 脊髄および末梢神経鞘腫瘍のすべて
末梢神経鞘腫瘍の病理
Pathology of Peripheral Nerve Sheath Tumors
内藤 裕
1
,
元井 亨
1
Yu NAITO
1
,
Toru MOTOI
1
1がん・感染症センター都立駒込病院病理科
1Department of Pathology, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital
キーワード:
末梢神経鞘腫瘍
,
peripheral nerve sheath tumor
,
神経鞘腫
,
schwannoma
,
神経線維腫症
,
neurofibromatosis
Keyword:
末梢神経鞘腫瘍
,
peripheral nerve sheath tumor
,
神経鞘腫
,
schwannoma
,
神経線維腫症
,
neurofibromatosis
pp.294-301
発行日 2023年6月30日
Published Date 2023/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202077
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脊髄神経の末梢神経鞘腫瘍の発生様式
末梢神経鞘腫瘍は,一般的に神経細胞や軸索を取り巻き支持する細胞群(シュワン細胞,神経周膜,神経上膜)より発生する腫瘍群を指す.末梢神経鞘腫瘍は,脊髄神経を含め全身のいずれの末梢神経にも発生する.脊髄神経に発生した腫瘍は良性であっても機能上,生命予後上の問題を生じ得る.これは,腫瘍が脊椎に囲まれた狭い部位で発生し,脊髄や脊髄神経を腫瘤として圧迫するためである.末梢神経鞘腫瘍は正常な構造との関係性をもちながら発生する.脊髄神経由来の末梢神経鞘腫瘍は硬膜内髄外腫瘍あるいは硬膜外腫瘍の形態をとる(図 1).また,ダンベル腫瘍と呼ばれる2領域以上の構造物に跨って存在する形態をとることがあり,解剖学的な分布様式から,大きく4型に分類される(図 2)4).ダンベル型腫瘍の70%は神経鞘腫であるが,神経鞘腫瘍以外にもダンベル型腫瘍の形態をとり得ることにも鑑別診断上注意が必要である.
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