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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第1章 私の術前説明書
私の術前説明書—脊髄腫瘍
Informed Consent in the Surgery of Spinal Cord Tumors
髙見 俊宏
1
Toshihiro TAKAMI
1
1大阪医科薬科大学医学部外科学講座脳神経外科学
1Department of Neurosurgery, Osaka Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
インフォームドコンセント
,
informed consent
,
手術適応
,
surgical indication
Keyword:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
インフォームドコンセント
,
informed consent
,
手術適応
,
surgical indication
pp.845-849
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201961
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はじめに
手術におけるインフォームドコンセントとは,患者側が病状を正確に理解したうえで,自由意思のもとに手術同意することである.手術説明として,患者側の誰に・いつ・どこで説明したかの記録は前提として必要であり,患者側が手術について理解して承諾したことを記録として適切に残しておかなければならない(手術同意書あるいは承諾書).病状・治療必要性・手術治療の内容などの医学的専門事項を正確に伝えることは決して容易ではない.そのために,多くの外科医は補助的に手術説明書を併用して説明しているのが現状だろうと思う.術後における患者側と医療従事者側の間での誤解を最小限にするために,手術説明書において絶対必要な要素として,①手術治療を受けることの妥当性(=病状と治療必要性),②手術治療の内容(=治療選択肢,手術内容・方法),③術後早期の経過予測(=術後合併症・続発症リスク),そして④術後中長期の経過予測(=術後経過フォローの必要性)の4つが重要と判断している.
本稿では,神経腫瘍である髄外・髄内腫瘍の手術について,筆者自身が術前説明の際に書面と口頭の両方で説明している「病状および治療方針に関する説明書」を中心に,特に配慮している点を記載する.
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