Japanese
English
論述
再発性脊髄腫瘍
Reccurent Spinal Cord Tumor
清水 克時
1
,
四方 實彦
1
,
小林 雅彦
1
,
藤田 裕
1
,
山室 隆夫
1
Katsuji Shimizu
1
1京都大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto University, Faculty of Medicine
キーワード:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
再発
,
recurrence
,
手術
,
surgery
Keyword:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
再発
,
recurrence
,
手術
,
surgery
pp.937-942
発行日 1990年8月25日
Published Date 1990/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900165
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抄録:過去13年間に京都大学整形外科で手術を行った脊髄良性腫瘍54例のうち,再発性腫瘍に対する手術は7例(13%)で,初回手術から再手術までの期間は平均8年1ヵ月であった.再発性腫瘍に対する手術の成績は,優1例,改善4例,不変1例,肺塞栓による死亡1例であった.これらの症例について,再発に結びつく要因を調べた.再発性脊髄腫瘍の病理組織診断は,neurilemmoma 4例,meningioma,astrocytoma,epidermoid cyst各1例で,組織診断と再発の間には有意の関連はなかった.一方,病変部位を脊髄と馬尾とに分けてみると,馬尾腫瘍では7例中3例が再発例で,脊髄腫瘍に比べ有意に再発率が高かった(P<0.05).7例中6例では,初回手術として全切除ができずに可及的切除を受けたか,または馬尾腫瘍であるかのいずれか,あるいはその両方に該当することがわかった.以上の結果から,画像診断,外科的手段を駆使して,初回に全切除を心がけることが,再発を防ぐ上で重要であること,また馬尾腫瘍では,再発を念頭においた長期の経過観察が必要であると結論した.
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