Japanese
English
特集 脊椎脊髄の先進的なMRI検査や解析
脳安静時fMRIを用いた頸髄症の予後予測
Prediction of Prognosis of Cervical Myelopathy Using Resting-state fMRI of the Brain
武中 章太
1
,
海渡 貴司
1
Shota TAKENAKA
1
,
Takashi KAITO
1
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University
キーワード:
頸髄症
,
cervical myelopathy
,
安静時機能的磁気共鳴画像法
,
resting-state functional MRI
,
機能的結合
,
functional connectivity
Keyword:
頸髄症
,
cervical myelopathy
,
安静時機能的磁気共鳴画像法
,
resting-state functional MRI
,
機能的結合
,
functional connectivity
pp.715-721
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201934
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
頸髄症は,脊髄の静的および動的圧迫によって引き起こされ,痙性,手指巧緻性障害,歩行障害などをもたらす.頸髄症の診断には,頸椎MRIが標準的な画像診断法である.しかし,予後予測バイオマーカー(主にT2強調画像上の高輝度領域)としての有用性に関しては依然として議論の余地がある6,9).それは,解剖学的に小さな領域から得られる情報が限定的であることと,従来の頸椎MRIでは評価できない動的因子が関与しているためと考えられる.また,MRIの撮像方法の1つである拡散強調画像を利用し,水分子の拡散効果を画像コントラストに反映した拡散テンソルイメージングを用いて脊髄障害の程度を評価する試みがなされている.しかし,解像度が十分でないことや,脊髄拍動の影響が小さくないこと,再現性の低さなどの問題が残っている4).したがって,頸髄症患者の神経学的回復を予測するための,簡単で正確,かつ非侵襲的な画像バイオマーカーが必要とされている.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.