Japanese
English
論述
頸髄症に対するナロキソン髄注療法の効果について
Effects of Subarachonoid Administration of Naloxone on Cervical Myelopathy
望月 真人
1
,
後藤 澄雄
1
,
村上 正純
1
,
喜多 恒次
1
,
小林 康正
1
,
袖山 知典
1
,
南 昌平
1
,
北原 宏
1
,
守屋 秀繁
1
,
岡本 弦
2
,
豊田 敦
3
Macondo Mochizuki
1
1千葉大学医学部整形外科
2国立静岡病院整形外科
3とよだ整形外科医院
1Department of Orthopaedic Surgery, Chiba University School of Medicine
キーワード:
頸髄症
,
cervical myelopathy
,
ナロキソン
,
naloxone
,
くも膜下腔注入
,
subarachnoidal injection
,
臨床効果
,
clinical results
,
分節性脊髄誘発電位
,
segmental spinal cord evoked potential
Keyword:
頸髄症
,
cervical myelopathy
,
ナロキソン
,
naloxone
,
くも膜下腔注入
,
subarachnoidal injection
,
臨床効果
,
clinical results
,
分節性脊髄誘発電位
,
segmental spinal cord evoked potential
pp.1108-1113
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900952
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抄録:頸髄症症例に対して,ナロキソン2mgのくも膜下腔注入療法の臨床効果及び電気生理学的所見について報告した.臨床効果としては,頸髄症による四肢遠位の異常知覚,特に上肢の異常知覚に関しては,ほぼ90%の症例に効果が認められた.また筋萎縮を主訴とした症例では6例中4例に筋力増強効果があった.効果発現は投与直後より15分以内に認められたが,効果持続は最長8日間であり,他の症例では6時間以内に消失する傾向があった.電気生理学的には,術中同様にナロキソン2mgを投与し,一側の正中あるいは尺骨神経刺激による分節性脊髄誘発電位の振幅変化を検討した.ナロキソン投与直後より10分以内に最大陰性波の振幅増大があり,その後徐々に減少傾向を示した.ナロキソンの効果は一過性であるが,今後は投与回数,投与方法の工夫により有用な治療薬となるものと思われる.また障害脊髄の機能予後判断との観点からナロキソンの使用も考えられた.
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