脊椎脊髄疾患のMRI画像に対するAIの応用

Application of Artificial Intelligence to Magnetic Resonance Imaging of Spinal Disorders

はじめに

　人工知能（AI）は，深層学習の普及によって急速な発展を続けている．深層学習は，コンピュータビジョンで最も有用な機械学習の方法の1つとなった．畳み込みニューラルネットワーク（CNN）に基づく深層学習アプローチは，医用画像を含む多様な分野で注目されている．従来の機械学習では，人の手作業による特徴抽出が必要であったが，CNNは，畳み込み層，プーリング層，全結合層などの複数のブロックを用い，バックプロパゲーションを介してデータから自動的に学習する構造となっている．最近，脊髄領域でのCNNに関する研究の報告が徐々に増加している．本稿では，AIを応用した脊椎脊髄疾患のMRI研究のうち，①脊髄損傷の神経予後予測，②頸部脊髄症の脊髄セグメンテーションについて紹介し，AIの今後の課題と展望についても述べる．