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特集 AI時代の脊椎脊髄画像診断
AIによる椎間板変性と化膿性脊椎炎の鑑別—MRIを使った深層学習の現状と展望
Differentiation of Modic Changes and Pyogenic Spondylodiscitis Using Deep Learning with MRI: A Review of Current Evidence and Future Prospects
牧 聡
1,2
,
向畑 智仁
1
,
稲毛 一秀
1
,
折田 純久
1,2
,
大鳥 精司
1
Satoshi MAKI
1,2
,
Tomohito MUKAIHATA
1
,
Kazuhide INAGE
1
,
Sumihisa ORITA
1,2
,
Seiji OHTORI
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2千葉大学フロンティア医工学センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
深層学習
,
deep learning
,
Modic変化
,
Modic change
,
化膿性脊椎炎
,
spondylodiscitis
Keyword:
深層学習
,
deep learning
,
Modic変化
,
Modic change
,
化膿性脊椎炎
,
spondylodiscitis
pp.16-19
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120390010016
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はじめに
腰椎MRIにおいて,椎間板変性に伴うModic Type 1変化と,初期の化膿性脊椎炎は,T1強調像での低信号,T2強調像での高信号といった骨髄浮腫様の信号変化が類似しており,鑑別がきわめて難しい病態である.臨床的にも,必ずしも発熱やCRP上昇を伴わない化膿性脊椎炎や,逆に軽度の炎症反応を呈するModic変化も存在するため,症状や血液検査所見だけでは判断に窮する場合が少なくない.この鑑別は,抗菌薬投与の要否や生検といった侵襲的検査の実施判断に直結するため,迅速かつ再現性の高い客観的な診断法が臨床現場で強く求められている.
このような背景のもと,近年,日常診療で撮像される非造影MRI〔T1強調像,T2強調像,short-tau inversion recovery(STIR)像〕を主軸とした深層学習(deep learning)が,両者の鑑別において高い精度を示すことをわれわれは報告した5).AIを用いることで,読影の標準化と効率化に貢献する可能性が示唆されている.さらに,椎間板変性の程度を示すPfirrmann分類やModic変化の自動判定3,4),あるいは感染症の中でも結核性と化膿性の鑑別といった,より高度なタスクも実現可能となってきた7,9).これは,マルチパラメトリックMRIとAIを組み合わせるアプローチが,新たな診断支援技術として期待されていることを示している.
本稿では,非造影MRIを用いた深層学習モデルの成果を中心に,その有用性と限界を明らかにする.そして,重要なほかの画像所見とAIをいかに統合すべきかを考察し,臨床応用を見据えた今後の展望と残された課題について論じる.

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