外傷性脊椎骨折に対する経皮的椎弓根スクリュー固定の功罪

The Merits and Demerits of the Percutaneous Pedicle Screw Fixation for the Traumatic Vertebral Fracture

はじめに

　外傷性脊椎骨折に対する観血的治療として，脊椎安定性の獲得による早期離床，除痛を目的として経皮的椎弓根スクリュー（percutaneous pedicle screw：PPS）による後方固定術を用いた低侵襲脊椎固定術（以下，PPS固定）が広まり，その有用性について多数報告されている^3,5,6,11）．しかしながら，PPS固定術は，骨折高位，骨折型，年齢により，固定範囲，椎体形成追加，抜釘を前提とした手術など臨機応変に対応していく必要がある．また一方で，PPS固定は骨移植が不十分になりがちな手術であるがゆえに，固定範囲内での骨癒合が得られず，failureをきたす症例も散見される^8）．

　本稿では，これまでの当院における外傷性脊椎骨折PPS固定術症例66例をもとに，適応，術式，合併症について述べる．