Japanese
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特集 低侵襲脊椎手術の功罪
転移性脊椎腫瘍に対する経皮的椎弓根スクリューによる後方固定術の功罪
Reconsidering Posterior Fixation with Percutaneous Vertebral Root Screws for Metastatic Spinal Tumors
朴 正旭
1
,
谷 陽一
1
,
石原 昌幸
1
,
足立 崇
1
,
谷口 慎一郎
1
,
齋藤 貴徳
1
Masaaki PAKU
1
,
Yoichi TANI
1
,
Masayuki ISHIHARA
1
,
Takashi ADACHI
1
,
Shin-ichirou TANIGUCHI
1
,
Takanori SAITO
1
1関西医科大学整形外科学講座
1Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Kansai Medical University
キーワード:
経皮的椎弓根スクリュー
,
percutaneous pedicle screw
,
脊椎転移
,
spinal metastasis
,
キャンサーボード
,
cancer board
Keyword:
経皮的椎弓根スクリュー
,
percutaneous pedicle screw
,
脊椎転移
,
spinal metastasis
,
キャンサーボード
,
cancer board
pp.613-616
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201912
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本邦における骨転移患者の現状
近年,がん治療の進化により担がん患者の生存率は顕著に向上している.同時に,がん罹患期間の延長により骨転移も自然と増加の一途を辿っている.実際に2022年に米国国立がん研究所10)から,2010〜2015年の期間にがんの診断を受けた患者の5.1%において骨転移を有していたことが報告された.これを本邦に当てはめると,新規がん発生数は98万856人/年と報告されている6)ことから,新規骨転移数は約5万人/年と考えられる.さらに,その中の45.1%に骨関連事象(skeletal-related events:SRE)が発生するとする報告3)があることから,本邦では年間2万人以上がSREを生じていることになる.SREの発生によるPerformance Status(PS)の低下は患者のQOLを低下させるのみならず,原発巣の治療中止など生命に直結する問題であるため,われわれ整形外科医が担う責任は重大であることはいうまでもない.また,骨転移患者の予後がさらに延伸すれば,がん患者であっても人工関節手術などの変性疾患の治療が必要になり,骨転移診療は整形外科医にとって日常診療の一部となっていくことが将来予想される.
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