Japanese
English
特集 運動制御の神経生理・機能解剖update—大脳,小脳,脊髄の連関
姿勢と歩行の大脳皮質-皮質下構造ネットワーク
Cortical and Subcortical Networks Involved in Posture-gait Control
高草木 薫
1
Kaoru TAKAKUSAKI
1
1旭川医科大学生理学講座神経機能分野
1Department of Physiology, Division of Neuroscience, Asahikawa Medical University
キーワード:
大脳皮質-基底核ループ
,
cortico-basal ganglia loop
,
大脳皮質-小脳ループ
,
cortico-cerebellar loop
,
大脳皮質-脳幹投射系
,
cortico-brainstem pathway
Keyword:
大脳皮質-基底核ループ
,
cortico-basal ganglia loop
,
大脳皮質-小脳ループ
,
cortico-cerebellar loop
,
大脳皮質-脳幹投射系
,
cortico-brainstem pathway
pp.411-417
発行日 2022年11月28日
Published Date 2022/11/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201868
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はじめに
横断歩道の信号が青に変わるのを待ちながら携帯電話を操作する人々.音の方向を見上げて青信号を確かめると,横断歩道へと踏み出し,足早に駆けていく.彼らの注意は「音の方向と信号の色」や「指の動きと踏み出す一歩」に注がれる一方,「眼球-頭頸部の協調運動や立位や歩行時の姿勢制御」に向くことはない.しかし,手指の巧緻動作や一歩を踏み出すための随意運動の指令が大脳皮質から脊髄に向けて発せられるとき,目的動作を成し遂げるに最適な姿勢制御はすでに整っている.このような姿勢制御は,大脳皮質連合野と大脳基底核・小脳・脳幹・脊髄などの皮質下構造との神経回路の活動によって遂行される.意識に上ることのない姿勢制御という舞台が整ってこそ,随意運動の目的が達せられる.
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