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特集 脊椎脊髄疾患の再手術症例における手術のコツと留意点
腰椎椎間板ヘルニアにおける再手術
Reoperation for Recurrent Lumbar Disc Herniation
青山 剛
1
Takeshi AOYAMA
1
1手稲渓仁会病院脊椎脊髄センター
1Spine Center, Teine Keijinkai Hospital
キーワード:
椎間板ヘルニア
,
disc hernia
,
再発椎間板ヘルニア
,
recurrent disc
,
再手術
,
reoperation
Keyword:
椎間板ヘルニア
,
disc hernia
,
再発椎間板ヘルニア
,
recurrent disc
,
再手術
,
reoperation
pp.921-925
発行日 2022年3月31日
Published Date 2022/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201770
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はじめに
腰椎椎間板ヘルニアは有病率が1%前後とされる9),一般的な疾患である.強度の下肢麻痺,膀胱直腸障害のような緊急手術の適応がなければ,発症初期には保存治療が行われる.ある程度の期間を経過した後に手術治療が検討されるが,その実施は患者の希望,術者の好みなど諸般の事情で決定される.そのため,手術に至る例は2〜5割程度と幅があるとされ9),筆者の個人的経験では4割弱程度であるが,3.0%(277,941例中8,228例)と低率な報告もある5).手術方法もさまざまであるが,内視鏡または顕微鏡を用いて脱出髄核のみ(herniotomy)もしくはそれに加えて椎間板の一部摘出(discectomy)を行うことが一般的である.いずれの方法でも椎間板は残存するため,椎間板ヘルニア再発は起こり得る.椎間板を多く摘出するほど再発率が低下するとは予想され,実際そのような報告はある6).一方で,再発率を低下させないとの報告もあるが11),いずれもdiscectomyでの腰痛が高率であることは一致している.椎間固定術を行えば再発は起こらないが固定隣接椎間障害など別の問題が起こり得るため,初回手術では一般的ではない.術後椎間板ヘルニア再発の可能性は避けられず,脊椎脊髄外科医はその対応を知っておく必要がある.
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