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特集 成人脊柱変形Up to Date
第4章 治療
成人脊柱変形に対する手術療法—目指すべき目標と手術計画の立て方
Optimal Goal and Surgical Planning for Adult Spinal Deformity
中尾 祐介
1
Yusuke NAKAO
1
1三楽病院整形外科脊椎脊髄センター
1Department of Orthopedic Surgery, Spine Center, Sanraku Hospital
キーワード:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
全脊椎アライメント
,
global alignment
,
矯正手術
,
correction surgery
Keyword:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
全脊椎アライメント
,
global alignment
,
矯正手術
,
correction surgery
pp.769-778
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201741
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はじめに
成人脊柱変形は,矢状面や冠状面のアライメント異常を有する疾患群であり,変性後側弯症や変性後弯症,椎体骨折後の後弯症,医原性後弯症などが含まれる.その症状は多彩であり,腰背部痛に加え,腰背筋の易疲労性による姿勢保持障害,併存する脊柱管狭窄による下肢神経症状,腹腔内容量の減少に伴う消化器症状などを呈する.これらの症状の多くは全脊椎アライメントの異常によるものであるため,当然ではあるがその手術治療の目標は理想的な全脊椎アライメントを獲得することである1).一方で,対象は併存症を有する高齢者であるため,理想的なアライメントを追求するあまりに手術侵襲が大きくなりすぎると,周術期合併症のリスクが高くなる7).すなわち,成人脊柱変形の手術とはいかに効率よく安全に理想的なアライメントに矯正するかに尽きるといっても過言ではない.本稿では筆者がどのように矯正の目標を設定し,手術計画を立てているのかについて代表的な症例を提示しながら述べる.
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