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特集 頸椎椎弓形成術の現在と今後
椎弓形成術における除圧範囲
Optimal Extent of Decompression in Cervical Laminoplasty
辻 崇
1
Takashi TSUJI
1
1国立病院機構東京医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Hospital Organization Tokyo Medical Center
キーワード:
拡大椎弓数
,
number of opened lamina
,
除圧幅
,
decompression width
,
椎弓開大角
,
lamina opening angle
Keyword:
拡大椎弓数
,
number of opened lamina
,
除圧幅
,
decompression width
,
椎弓開大角
,
lamina opening angle
pp.609-612
発行日 2022年3月4日
Published Date 2022/3/4
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201705
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はじめに
椎弓形成術(laminoplasty:LP)は本邦で開発され,現在も改良が重ねられている術式である.その長期成績は安定し,大多数の症例で満足すべき臨床成績が得られるが,筆者が脊椎外科医を志した2000年頃には,神経学的改善不良,術後アライメントの悪化,軸性疼痛,髄節性運動麻痺(C5麻痺)などの問題点が活発に議論されていた記憶がある.この20年の間にもエビデンスの蓄積があり,問題の解決(すなわち前方,後方,固定併用の適応,術式の工夫)に前進が認められている.
筆者自身は軸性疼痛(局所痛)軽減やアライメント,可動域を維持する目的で,2001年より選択的片開き式脊柱管拡大術を行っており,それに付随して当初は予想していなかった結果が得られたこもあった.今回,「椎弓形成術における除圧範囲」というテーマをいただいたので,自らの経験と文献的考察を交えて記述させていただく.なお,頸髄症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:CSM)と後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)を同時に語ることには無理があるため,今回の記述は,CSMを対象としたLPを念頭に記載させていただく.
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