Japanese
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特集 脊髄病変と排泄・性機能障害
脊髄障害における下部尿路機能障害の評価法のポイント
Essentials of Assessment of Lower Urinary Tract Dysfunction in Patients with Spinal Cord Lesion
関戸 哲利
1
Noritoshi SEKIDO
1
1東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科
1Department of Urology, Toho University Ohashi Medical Center
キーワード:
基本評価
,
basic evaluation
,
選択的評価
,
optional evaluation
,
透視下尿流動態検査
,
video-urodynamic study
Keyword:
基本評価
,
basic evaluation
,
選択的評価
,
optional evaluation
,
透視下尿流動態検査
,
video-urodynamic study
pp.214-221
発行日 2021年10月5日
Published Date 2021/10/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201609
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はじめに
外傷性・非外傷性の脊髄損傷〔脊髄障害(spinal cord lesion:SCL)〕患者における泌尿器科的な診療アウトカムは,尿路合併症の防止,社会的尿禁制の獲得,生活の質(quality of life:QOL)の改善,自律神経過(緊張)反射(autonomic dysreflexia:AD)の防止などである.2019年に改訂された本邦の「脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン[2019年版]」6,9,11)においても,この診療アウトカムを意識したアルゴリズムが提示されている.これらの診療アウトカムの達成のためには,SCLによる神経因性下部尿路機能障害(neurogenic lower urinary tract dysfunction:NLUTD)の病態を基本評価および選択的評価(表 1)によって十分に評価し,その結果に基づいて適切な尿路管理法や薬物療法を決定する必要がある.さらに,決定された尿路管理法や薬物療法によって診療アウトカムが達成されているかを,定期経過観察で確認する必要がある.本稿では,SCLによるNLUTD患者の診療における基本・選択的評価や定期経過観察の位置づけを明確化するために,まず上記ガイドラインの診療アルゴリズムを概説し,その後にSCLによるNLUTDに対する評価法に関してガイドラインの内容に従って簡潔に述べる.
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