Japanese
English
特集 頻尿に潜む病態を見破る
神経因性下部尿路機能障害
Neurogenic lower urinary tract dysfunction
関戸 哲利
1
Noritoshi SEKIDO
1
1東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科
キーワード:
神経因性下部尿路機能障害(NLUTD)
,
排尿筋過活動
,
排尿筋低活動
,
排尿筋無収縮
,
機能的膀胱出口部閉塞
Keyword:
神経因性下部尿路機能障害(NLUTD)
,
排尿筋過活動
,
排尿筋低活動
,
排尿筋無収縮
,
機能的膀胱出口部閉塞
pp.203-207
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28503203
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神経因性下部尿路機能障害(NLUTD)は,中枢あるいは末梢神経障害が原因となって下部尿路機能に異常が生じている状態である.NLUTDにおいて頻尿の原因となる主な機能異常として,蓄尿相に認められる排尿筋過活動がある.一方,排出相における排尿筋低活動や無収縮,機能的膀胱出口部閉塞(排尿筋括約筋協調不全や非弛緩性尿道括約筋)に起因する残尿増加も,機能的膀胱容量の低下を介して頻尿をきたす場合がある.以上のことから,NLUTDに伴う頻尿の診療に際しては,尿排出機能障害の評価目的の尿流測定と残尿測定が初期評価として必須である.さらに正常圧水頭症など,原疾患の治療を優先すべき病態を鑑別することも重要であり,認知機能障害や歩行障害,起立性低血圧の有無など,下部尿路機能障害以外の症状や徴候にも十分に注意を払うべきである.
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