Japanese
English
特集 腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術
腰部脊柱管狭窄症に対するDPELスコープを用いた内視鏡除圧(固定)術
Surgical Technique of Endoscopic Decompression for Spinal Canal Stenosis Using DPEL Scope
出沢 明
1
,
湯野川 隻
1
,
広田 健吾
1
,
出沢 隆
2
Akira DEZAWA
1
,
Seki YUNOKAWA
1
,
Kengo HIROTA
1
,
Takashi DEZAWA
2
1医療法人明隆会
2東邦大学整形外科
1Medical Corporation Meiryuukai
キーワード:
最小侵襲手技
,
minimally invasive surgery
,
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar spinal canal stenosis
,
全内視鏡脊椎手術
,
full endoscopic spine surgery
Keyword:
最小侵襲手技
,
minimally invasive surgery
,
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar spinal canal stenosis
,
全内視鏡脊椎手術
,
full endoscopic spine surgery
pp.107-114
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201586
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はじめに
腰椎すべり症に代表される腰部脊柱管狭窄症に対して,full endoscopyを用いて狭窄部位の除圧を行い不安定性が強い場合は後方椎体間固定を行う手技と,スコープの開発をこの11年間にわたって行ってきた.
脊椎内視鏡下の片側進入両側除圧は,非アプローチ側の椎間関節,後方要素(棘突起,棘上・棘間靭帯)と周囲の軟部組織が可及的に温存され,術後の不安定性への影響が少ない.特にアプローチ側と対側は脊柱管内からの操作であるため,完全に温存できることなどが特徴として挙げられる.
脊椎低侵襲手術としての内視鏡手技の進歩は,CCDカメラや最近の2mmの細径内視鏡,電子スコープに代表される高性能光学器械の進歩とそれに伴う映像技術の改良,high speed drillなどの新しい機器の開発によるところが大である.したがって,過去における経験は未来を照らす一条の光となる.
さらに,脊椎外科の低侵襲化を構築するうえで大切なのは,的確な臨床診断と画像診断に基づく病変の局在診断である.利点と有効性を十分に発揮するには,深度覚の認識,神経,靭帯,骨の触知覚の習得が必要となる.そして,dilatorの先端が解剖学的に正確に病巣部に到達して迅速な操作ができる手視覚の協同運動の習得と3次元でのトレーニングが必要である.
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