特集 腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術
特集にあたって
谷 諭
1
1新百合ヶ丘総合病院脊椎脊髄末梢神経外科
pp.91
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201582
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腰部脊柱管狭窄症の有病率は高齢化に伴い増加しており,もはや高血圧・糖尿病と同じようなcommon diseaseと考えられます.その一方で,「高齢だから我慢する」という時代ではないはずですが,実際は手術に二の足を踏む患者さんとご家族が多いのが事実のようです.このような現在の患者さんを取り巻く状況に合わせた「本当の意味での低侵襲手術」を提供することで,健康年齢を延長させるという社会貢献ができることを願って特集とさせてもらいました.
特集の前半では腰部脊柱管狭窄症に対する手術療法の各種治療戦略をエキスパートの方々に紹介していただきました.本疾患に対する手術のメインストリームである顕微鏡手術の発達の経緯と現在の状況,テクニックの進歩などを水野順一先生に,そして顕微鏡手術に代わり得るものとしてexoscope(外視鏡)を用いた手術の紹介を武藤 淳先生にお願いしました.一方,顕微鏡手術とは違う方向で発達を遂げてきた内視鏡手術の中で,MEL(内視鏡下腰椎椎弓切除術)手術法および治療成績を小口史彦先生に,DPELスコープでの手術方法,リスクも含めた成績を出沢 明先生に紹介してもらいました.また,本邦ではあまり普及していませんが,高齢化社会において注目すべきツールであるinterspinous process devices(IPDs)の多くの経験をおもちの久野木順一先生に紹介していただきました.
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