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特集 腰椎分離症—病態・診断・治療
学童期腰椎分離症の治癒阻害因子
The Inhibitory Factors against Bone Healing in the Elementary-school Aged Patients with Fresh Lumbar Spondylolysis
塚越 祐太
1,2
,
山崎 正志
3
Yuta TSUKAGOSHI
1,2
,
Masashi YAMAZAKI
3
1筑波大学附属病院茨城県小児地域医療教育ステーション
2茨城県立こども病院
3筑波大学医学医療系整形外科
1Department of Pediatric Orthopaedic Surgery, Ibaraki Pediatric Education and Training Station, Tsukuba University Hospital
2Ibaraki Children's Hospital
キーワード:
腰椎分離症
,
lumbar spondylolysis
,
小学生
,
elementary school
,
潜在性二分脊椎
,
spina bifida occulta
Keyword:
腰椎分離症
,
lumbar spondylolysis
,
小学生
,
elementary school
,
潜在性二分脊椎
,
spina bifida occulta
pp.25-28
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201564
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はじめに
腰椎分離症は主に発育期に生じる疲労骨折であり,中高生が好発年齢とされているが,約3割は学童期に発生する19).学童期の腰椎骨年齢3)は大部分が未熟なcartilaginous stage10)であり,この未熟な骨の状態で分離部が偽関節になってしまうと高率に分離すべり症へと移行してしまうことが報告されている9).このため,学童期に発生した新鮮腰椎分離症では骨癒合が強く望まれる.しかし,学童期に発生した新鮮腰椎分離症は骨癒合率が低いことが報告されており6,9,24),実臨床でも偽関節化してしまう小学生たちにしばしば遭遇する.学童期発症例の腰椎の形態学的特徴などが報告されているが5,18),学童期例の低い骨癒合率と関連する特徴に関する報告はない.分離部の進行度以外の骨癒合に不利な因子として,性別(女子)6),受傷高位(第5腰椎)2,13,24),両側受傷4,6,13),対側の終末期分離1,6,11,14,15),潜在性二分脊椎(spine bifida occulta:SBO)4,16)などが報告されている.
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