Japanese
English
特集 脊椎硬膜病変—最近の話題
脊髄ヘルニアの病態と治療
The Pathology and Surgical Treatment of Spinal Cord Herniation
中島 宏彰
1
,
今釜 史郎
1
,
安藤 圭
1
,
小林 和克
1
,
八木 秀樹
2
Hiroaki NAKASHIMA
1
,
Shiro IMAGAMA
1
,
Kei ANDO
1
,
Kazuyoshi KOBAYASHI
1
,
Hideki YAGI
2
1名古屋大学医学部整形外科
2名古屋第一赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedics, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄ヘルニア
,
spinal cord herniation
,
病態
,
pathology
,
治療
,
treatment
Keyword:
脊髄ヘルニア
,
spinal cord herniation
,
病態
,
pathology
,
治療
,
treatment
pp.865-869
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201494
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はじめに
脊髄ヘルニアは比較的まれな疾患で,1974年にWortzmanら17)によって初めて報告された.脊髄ヘルニアは硬膜欠損を介した脊髄の腹側偏位によって特徴づけられ,癒着および血管障害に続発して神経学的障害が生じるとされている3).硬膜囊前面の硬膜欠損の病因は不明であるが6),硬膜低形成や外傷,医原性(脊椎手術後),炎症および骨棘の存在が関与していると考えられている.近年,このような脊柱管内硬膜の欠損または損傷により神経症状を呈する疾患を総称したduropathy11)という概念が提唱されており,表在性鉄症や頭蓋脊髄血液量減少症とともに本疾患もduropathyの病態の1つとされている4,10,14〜16).脊髄ヘルニアではBrown-Séquard症候群を呈する頻度が高いとされてきたが,脊髄嵌頓の形式からさまざまな臨床症状を示し,鑑別に苦慮する画像を呈する症例もある.本稿では,duropathyの1つである脊髄ヘルニアの病態と治療について,名古屋脊椎グループで行った多施設研究の結果をもとに概説する.
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