Japanese
English
特集 脊椎硬膜病変—最近の話題
髄液瘻に伴う髄液減少症
Spontaneous Intracranial Hypotension Caused by Cerebrospianal Fluid Leakage
高橋 浩一
1
,
三浦 真弘
2
Koichi TAKAHASHI
1
,
Masahiro MIURA
2
1山王病院脳神経外科
2大分大学医学部解剖学
1Department of Neurosurgery, Sannou Hospital
キーワード:
特発性低髄液圧症候群
,
spontaneous intracranial hypotension
,
脳脊髄液漏出症
,
cerebrospianal fluid leakage
,
脊髄硬膜外リンパ系
,
spinal epidural lymphatic system
Keyword:
特発性低髄液圧症候群
,
spontaneous intracranial hypotension
,
脳脊髄液漏出症
,
cerebrospianal fluid leakage
,
脊髄硬膜外リンパ系
,
spinal epidural lymphatic system
pp.871-880
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201495
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はじめに
近年,硬膜の欠損部から髄液が異常漏出することによって生じる種々の神経疾患は新たにduropathiesと命名され,それは,2012年のKumar6)による脳表ヘモジデリン沈着症の出血源を原因とする報告を契機に,さらに注目される疾患概念となっている.一方で,1990年代より,髄液が減少する病態(以下,髄液減少症)は,国内外において関連した知見が多数報告され15,16,22,23,26-28),duropathiesとの関係性について論じられる機会が増えた6).しかしながら,髄液減少症については,急激な発症で複数の脊髄レベルから髄液の異常吸収や漏出が生じる原因や病態に加えて,頭痛のみならず多彩な症状の出現機序,さらにブラッドパッチの効果機序について,いまだ不明な点が多く残されている26,27).今回,髄液減少症の1症例を提示し,これらの問題と髄液動態や機能について検討する.
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