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特集 脊椎硬膜病変—最近の話題
硬膜・硬膜外腔の解剖
Microsurgical Anatomy of the Spinal Dura and Epidural Space
内門 久明
1
Hisaaki UCHIKADO
1
1医療法人ニューロスパインうちかど脳神経外科クリニック
1Uchikado Neuro-Spine Clinic
キーワード:
脊髄硬膜病変
,
duropathy
,
微小外科解剖
,
microsurgical anatomy
,
硬膜・硬膜外腔
,
dura mater and epidural spaces
Keyword:
脊髄硬膜病変
,
duropathy
,
微小外科解剖
,
microsurgical anatomy
,
硬膜・硬膜外腔
,
dura mater and epidural spaces
pp.834-840
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201490
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はじめに
Duropathiesという概念が2012年にKumar9)により提唱された.脊柱管内の脊髄硬膜に欠損ができて,脳・神経および髄液循環障害を呈する病態と理解されている.Farbら4)は特発性低髄液圧症候群の硬膜の髄液漏出部位をType 1〜4型(1型:硬膜腹側,2型:椎間孔,3型:静脈瘻,4型:椎間孔外)に分類している.1型は全脊椎レベルで,2型は胸腰椎移行部に,3型は胸椎,4型は下部頸椎(まれ)に好発する.
脊柱は動的要素を有する支柱であり,脊柱管を構成する椎骨・靭帯・筋組織を外組織とすると,硬膜に仕切られた脊髄神経はいわば内組織である.硬膜内は脳脊髄液(cerebrospinal fluid:CSF)により,硬膜外とは大きく環境が異なる.
複雑な病態であるduropathyを理解するために硬膜(meningis),硬膜外の靭帯および静脈の解剖学知識は必須である.また,脊椎脊髄外科医にとって,この部位の肉眼および微小解剖は日常臨床において非常に重要となるため,頭蓋頸椎移行部から仙骨部に至る硬膜・硬膜外腔の解剖について概説する.
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