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Honda歩行アシストの推移
ロボットテクノロジーの医療への導入は,たとえば手術用ロボットのda Vinci Surgical Systemを用いた手術が保険適応になっているように,実用的なレベルになりつつある.リハビリテーション用ロボットに関しても,備え付けタイプのロボットとして,上肢用のReoGo®-J6)や下肢用のWelwalk WW-20002)などが用いられ,装着タイプのロボットとして,Wearable Power-Assist Locomotor(WPAL®)7)や本論文で取り上げるHonda歩行アシスト(以下,歩行アシスト)1,3〜5)などが用いられている.
歩行アシストのレンタル事業を展開している本田技研工業は,ヒューマノイドロボットASIMO(図 1)の開発を1986年より行っている.ASIMOはヒトと同じように二足で歩行するロボットで,歩行だけでなく走る,跳ぶ,ダンスをするなど高度な二足運動機能をもっている.ASIMOの二足運動機能のテクノロジーを応用した装着型ロボットとして体重支持歩行アシスト(図 2)の開発も以前は行われ,試作品も2008年に発表され期待していたが,残念ながら開発は滞ってしまった.しかしながら,1999年より股関節部を駆動するタイプの装着型ロボットの開発が並行して始まっていた.この機器が本論文で解説する歩行アシスト(図 3)である.開発が進むに従い軽量化も行われ,2005年には3.5kg,2007年の国際福祉機器展に試作品が出展されたときは3.0kg,2013年に全国50施設に先行レンタルが開始されたときには2.8kgになり,2015年に一般レンタルが開始されたときには2.7kgにまで軽量化が行われた.2019年に本邦の医療機器認証を製品名ゲイトトレーナーHWA-01として取得している.欧州や米国でのレンタル事業を展開しているわけではないが,欧州医療機器指令(Communauté Européenne-Medical Devices Directives:CE-MDD),米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の認証も取得している.また,本邦でのレンタル事業は全国300施設にまで拡大している.
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