特集 リハビリテーションにおけるロボット技術の最近の進歩
特集にあたって
飛驒 一利
1
1札幌麻生脳神経外科病院
pp.757
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201470
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本邦における産業用ロボットの生産額は世界一だそうだが,工場などの製造業が中心であり,品質の安定化に寄与してきた.一方で,世界的な少子高齢化への対応もあり,医療,福祉などにおいて,新しいロボット環境が拡がっているといわれている.中でもダビンチなどの術中支援のロボットはすでに多くの腹腔鏡手術に使用され,低侵襲な手術手段として多くの施設で採用されてきている.
近年,脳・脊髄などの中枢神経損傷後において中枢神経の可塑性が着目され,運動機能の回復にさまざまな機械を使用したリハビリテーションがニューロリハビリテーションとして注目されている.しかしながら,脊椎脊髄疾患の術後のリハビリテーションにおけるロボット支援システムは,マスコミなどで脚光を浴びた割には,実際のリハビリテーション領域では保険診療外の実験的な試みの段階であった.しかし,2020年の診療報酬改定では神経内科の一部の疾患に対し,保健収載が新設されたようである.今後もリハビリテーションにおけるロボットの活躍する領域は増えると思われ,特集を組んだ次第であった.
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