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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-110
Chiari Ⅰ型奇形に対する大孔部減圧術・小脳扁桃切除術
Foramen Magnum Decompression and Cerebellar Tonsillectomy as Treatment for Chiari Malformation-Ⅰ
大橋 洋輝
1
Hiroki OHASHI
1
1東京慈恵会医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, The Jikei University
pp.961-966
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201244
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手術適応
Chiari奇形のみで空洞症を伴わない場合,頭痛が日常生活を妨げるほどであったり,脳幹症状があれば手術適応ありと考える.この場合,aquired Chiariでないことに留意する必要がある.つまり,まれではあるが先行する低髄圧症を否定し,Chiari奇形に対する外科治療をすべきなのか,低髄圧に対する治療が必要なのか考慮する.
Chiari Ⅰ型奇形に伴う脊髄空洞症であった場合,空洞内圧により脊髄への圧迫があるのであれば,比較的軽微な神経症状であっても手術の適応と考える.一方で,空洞が自然縮小していて内圧を伴っていない場合,前述のChiari奇形による症状がないのであれば,手術により得られるものが少なく経過観察をする.また,小児脊髄空洞症においては,空洞が仮に大きくても成長に伴い自然縮小することがあるため,個々の状態に応じて慎重に検討する.特に側弯症を唯一の症状とする小児例では,高率に空洞の自然縮小が報告されているため,臨床症状と画像変化による注意深い経過観察が必要である2).
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