Nomade
シームレス
金 景成
1
1日本医科大学千葉北総病院脳神経外科
pp.959-960
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201243
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〈シームレス〉という言葉をときどき耳にする.シームレスとは,複数のことを状況に応じて使い分けたり,切り替えたりしなければならないときに,自動的に行ってくれることで,利用者が使い分けを意識しなくてもよいことをいうらしい.要はつなぎ目がないことで,移動中もインターネットがとぎれずに利用できるとか,PASMOやSuicaで自由に電車に乗ったり,乗り換えたりできることをいうようだ.確かにシームレスだとストレスがない.ただ,このようなシステムをつくるのは,並大抵のことではないだろう.インターネットをシームレスにするには多大な労力が必要であり,いろいろな路線の乗り換えを1つのカードでできるようにするには,やはり多大な努力と会社間のボーダーレス化が必要であったことだろう.日々努力されている方々に敬意を表したい.
さて,私は15年ほど前,立派な脊椎脊髄外科医を目指し,釧路労災病院脳神経外科の井須豊彦先生に師事した.たくさんの患者を診察し,画像をみて,手術をした.日本脊髄外科学会の指導医をとり,昨年,整形外科・脳神経外科合同で立ち上がった脊椎脊髄外科認定医の資格も得た.自分としては,やっと脊椎脊髄の専門医になったかと思っていたら,先日札幌で行われた第34回日本脊髄外科学会(小柳泉会長)で,友人が若い先生へ私を紹介する際,私の名前に〈末梢神経の〉という形容詞をつけた.脳から脊椎を飛び越え,末梢神経という形容詞がついたことは,内心微妙だった.
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