Japanese
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特集 脊椎脊髄の冠名徴候・症候群
Ⅱ.冠名症候群
Chiari奇形
Chiari Malformation
磯島 晃
1
,
阿部 俊昭
2
Akira ISOSHIMA
1
,
Toshiaki ABE
2
1大森赤十字病院脳神経外科
2東京慈恵会医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Omori Red Cross Hospital
キーワード:
キアリ奇形(Chiari malformation)
,
大孔減圧術(foramen magnum decompression)
,
脊髄空洞症(syringomyelia)
Keyword:
キアリ奇形(Chiari malformation)
,
大孔減圧術(foramen magnum decompression)
,
脊髄空洞症(syringomyelia)
pp.387-389
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200116
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定義・用語
Chiari奇形とは,小脳の一部分である小脳扁桃と脳幹の一部が生まれつき下垂し,大孔を通して脊柱管内にはみ出している先天奇形をいう.オーストリア人の病理学者Hans Chiari(1851-1916)が1891年に,この奇形を初めて報告した.Chiariはその後,小脳の下垂の程度により,Ⅰ〜Ⅲ型に分類した.1896年に14例のChiari Ⅰ型奇形と脊髄空洞症の合併例を報告した2,3)(表1).1894年にJulius Arnold(1835-1915)もChiari Ⅱ型奇形の症例を報告したため1),小脳扁桃が脊柱管内に陥入した奇形を総称してArnold-Chiari奇形と呼ぶようになった.しかし,正確にはChiari Ⅱ型奇形のみがこれに該当する.その後,Chiariは小脳の低形成だけを示す例をⅣ型として追加した.近年,脊柱管内に下垂した小脳および延髄の形態的な重症度でⅠ型とⅡ型を区別するより,脊髄髄膜瘤合併の有無でⅠ型,Ⅱ型を分ける分類が提唱されている6).
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