Japanese
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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
冷凍椎間板同種移植の実験的試み
Allografting of Frozen Intervertebral Disc in Canine
勝浦 章知
1
,
福田 眞輔
1
Akitomo Katsuura
1
1滋賀医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shiga University of Medical Science
キーワード:
椎間板
,
intervertebral disc
,
同種移植
,
allograft
,
凍結保存
,
cryopreservation
Keyword:
椎間板
,
intervertebral disc
,
同種移植
,
allograft
,
凍結保存
,
cryopreservation
pp.389-394
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901340
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抄録:脊椎手術時,神経除圧後に椎間可動性を温存させるための試みとして,冷凍保存同種椎間板移植の動物実験を行い,臨床応用の可能性について検討した.雑種成犬から胸腰椎を椎体,椎間板コンプレックスとして採取し,凍結保護剤としての10%DMSOとともに緩徐凍結,冷凍保存した.急速解凍後,椎間板の組織学的評価と35S radioactivityを測定した.また,コンプレックスを他犬に移植し,経時的にX線学的,組織学的に評価した.その結果,緩徐凍結保存は椎間板にたいして組織学的に影響を与えないが,基質合成能は4週保存で正常椎間板の44%に低下した.移植手術群においては,初期には良好な生着を示したが,1年後にはX線学的にも組織学的にも椎間板は変性所見を呈した.最終的には移植椎間板部は椎間癒合すると思われるが,短期間は椎間板としての機能を保有する可能性が示唆された。
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