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はじめに
現在,本邦で施行されている頸椎神経根症に対する脊椎内視鏡下手術には,microendoscopic discectomy(MED)systemを用いる手技1)である内視鏡下頸椎椎間孔拡大術(cervical microendo scopic foraminotomy:CMEF)とpercutaneous endoscopic lumbar discectomy(PELD)systemを用いる手技6,7)である頸椎経皮的椎間孔拡大術(percutaneous endoscopic keyhole foraminotomy:PEKF)がある.MED法4)は1997年に腰椎椎間板ヘルニアに対する低侵襲手術として報告されて以来,適応を広げてきた.一方PELD法は,2003年に腰椎椎間板ヘルニアに対する最小侵襲手術として本邦に導入されて以来,MED法と同様に,腰部脊柱管狭窄症や頸椎椎間板ヘルニアなどの頸部神経根症に適応を広げてきた.本法はFrykholm(1947)5)やScovile(1966)のkeyhole foraminotomyの手技に完全内視鏡下でのアプローチを導入したものである.そして,Ruettenら(2008)6,7)により報告された手技を改良,発展させた手技である.具体的には,PELD用の内視鏡を用いて片側の頸椎椎弓から椎間関節にかけての除圧を行い,神経根と硬膜管の分岐部の除圧を行う手技である.本稿では,PEKFの適応疾患,手術手技と注意点,治療成績および代表症例について述べる.
なお,近年PELD systemを用いた手術手技は,手術手技の特徴を的確に表現するため,経皮的内視鏡手術(percutaneous endoscopic surgery)から完全内視鏡下手術(full endoscopic surgery)に名称を変更する方向にある.本術式も今後名称が変更されることになると考えられる.
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