頸椎病変に対する経皮内視鏡手術の可能性と将来展望

Usefulness and Future Prospects of Full-endoscopic Surgery for Cervical Disease

はじめに

　頸椎神経根症に対する経皮内視鏡手術（full-endoscopic posterior cervical foraminotomy：FPCF）は，Ruettenら^6,7）により報告された最小侵襲手術法である．当センターでは2014年に本法を導入し，その手術手技^5），術後成績^3），骨性椎間孔狭窄に対する応用^4）に関して報告してきた．

　アスリートの頸椎神経根症に対しての手術適応は慎重にならざるを得ないが，神経根症により生じる障害のために十分なパフォーマンスを発揮できず，競技を続行できない場合に手術加療を行う際には，可能な限り低侵襲な手術法が選択される必要がある．本稿では，FPCFの手術手技の実際，アスリートに対し本法を施行した代表症例を提示し，その特殊性および有用性に関して解説する．