Japanese
English
論述
交通事故における上位頸椎領域の靱帯損傷
Injuries of the Ligaments of the Upper Cervical Spinal Region in Traffic Accidents
越後谷 直樹
1
,
原田 征行
1
,
村上 利
2
Naoki Echigoya
1
1弘前大学医学部整形外科学教室
2弘前大学医学部法医学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
上位頸椎
,
upper cervical spine
,
交通事故
,
traffic accident
,
環椎横靱帯
,
transverse atlantal ligament
,
翼状靱帯
,
alar ligament
,
環軸椎亜脱臼
,
atlanto-axial subluxation
Keyword:
上位頸椎
,
upper cervical spine
,
交通事故
,
traffic accident
,
環椎横靱帯
,
transverse atlantal ligament
,
翼状靱帯
,
alar ligament
,
環軸椎亜脱臼
,
atlanto-axial subluxation
pp.895-903
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900910
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抄録:交通事故における上位頸椎損傷,特に翼状靱帯,環椎横靱帯などの靱帯損傷について,交通死亡事故遺体より得た頸椎標本16例の所見をもとに検討した.上位頸椎損傷は14例に認められ,その中13例に靱帯損傷を伴っていた.13例中8例には明らかな骨折や脱臼,不安定性を認めなかった.翼状靱帯損傷は11例に,その中3例に横靱帯損傷が認められた.横靱帯の単独損傷はなかった.1例に,横靱帯の横の連続性が残存した冠状断裂による著明な環軸椎亜脱臼を認めた.一般に,交通事故における頸椎損傷は加速度損傷であり,前後屈,回旋,側屈などの混合運動が強制される.特に横靱帯損傷を伴うものは作用外力も強く,過屈曲の関与が大きい.靱帯損傷を認めた13例中8例は頭蓋骨骨折を伴い,頭蓋骨骨折に靱帯損傷を伴わないものは2例のみであった.程度に関わらず,頭部外傷を認めるものでは靱帯損傷を伴う可能性が高いと推定された.
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