Japanese
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特集 頸椎前方手術Up To Date
頸髄腹側の脊髄動静脈瘻に対する前方からの外科治療
Surgical Interruption of Cervical Perimedullary AVF via Anterior Approach
飛驒 一利
1
Kazutoshi HIDA
1
1札幌麻生脳神経外科病院
1Sapporo Azabu Neurosurgical Hospital
キーワード:
外科治療
,
surgery
,
脊髄動静脈瘻
,
AV fistulae
,
前方到達法
,
anterior approach
Keyword:
外科治療
,
surgery
,
脊髄動静脈瘻
,
AV fistulae
,
前方到達法
,
anterior approach
pp.735-740
発行日 2018年8月25日
Published Date 2018/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200937
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はじめに
脊髄辺縁部動静脈瘻(perimedullary arteriovenous fistula〔AVF〕)では,動静脈短絡の部位が脊髄表面に存在し,軟膜上に細動脈の側副路があるので,観血的治療によりAV shuntの遮断を行うほうが,根治的かつ安全に行える.ただし,high flowの動静脈瘻に対しては,術前にflow controlを目的に,外科的治療をより安全に行うための前治療として血管内塞栓術が行われたり,特に小児例のtype Ⅲ症例ではfeeding arteryが十分太いことから,コイルあるいはN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)にて根治する症例もみられる.
脊髄辺縁部動静脈瘻の外科治療では,通常は椎弓切除を行い,後方からアプローチするのが一般的である.ただし,中位頸髄レベルで,特に前脊髄動脈が主たる流入血管となっている場合は,胸髄レベルと異なり神経根が近接していることから,脊髄が十分に回旋できないため,前方から椎体切除を行い,AV shuntの遮断を行うのが有力な外科治療である.
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