Japanese
English
総説
脊髄硬膜動静脈瘻(SDAVF)の診断と治療
Diagnosis and Treatment of Spinal Dural Arteriovenous Fistulae
新見 康成
1
Yasunari Niimi
1
1Associate Professor of Radiology and Neurosurgery, Albert Einstein College of Medicine/Center for Endovascular Surgery, Institute of Neurology and Neurosurgery, Roosevelt Hospital
1Associate Professor of Radiology and Neurosurgery, Albert Einstein College of Medicine/Center for Endovascular Surgery, Institute of Neurology and Neurosurgery, Roosevelt Hospital
キーワード:
spinal dural arteriovenous fistula
,
embolization
,
myelopathy
,
surgery
,
angiography
Keyword:
spinal dural arteriovenous fistula
,
embolization
,
myelopathy
,
surgery
,
angiography
pp.863-872
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100348
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はじめに
脊髄硬膜動静脈瘻(spinal dural arteriovenous fistula, SDAVF)は,もっとも頻度の高い脊髄血管奇形であるが,日常で遭遇する頻度は比較的少なく,初診時には,腫瘍,脱髄疾患,脊髄炎,脊髄梗塞などの他の脊髄疾患との鑑別が問題となる。慢性進行性の脊髄疾患は,一般に,発症から診断までの期間が長いのが特徴であるが,この疾患もその例外ではない。最近では,MRIの普及と診断技術の向上,この疾患概念の認識の向上により,この期間はかなり短くなってきているが,それでも発症から診断まで1年を超えることは稀でない22, 31, 32, 36)。しかしながら,SDAVFは臨床症状とMRI所見に特徴があるため,それを把握していれば,この疾患の診断を進めることはさほど困難なことではない。さらにこの疾患は,比較的容易に治癒が可能な数少ない脊髄疾患のひとつであり,また,発症後早期に,症状が悪化する前に治療すれば,その機能予後も決して悲観的なものではない。したがって,常にこの疾患の存在を念頭において,疑われた場合には,迅速かつ適切な診断,治療を進めていくことが重要である。以下にSDAVFの診断と治療について概説する。
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