Japanese
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特集 脊椎脊髄疾患と間違えられそうになった症例・疾患
後根神経節炎とSjögren症候群
Dorsal Root Ganglionitis and Sjögren Syndrome
宮地 洋輔
1
,
園生 雅弘
1
Yosuke MIYAJI
1
,
Masahiro SONOO
1
1帝京大学医学部神経内科
1Department of Neurology, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
後根神経節炎
,
dorsal root ganglionitis
,
感覚性ニューロノパチー
,
sensory neuronopathy
,
シェーグレン症候群
,
Sjögren syndrome
Keyword:
後根神経節炎
,
dorsal root ganglionitis
,
感覚性ニューロノパチー
,
sensory neuronopathy
,
シェーグレン症候群
,
Sjögren syndrome
pp.115-121
発行日 2018年2月25日
Published Date 2018/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200796
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はじめに
後根神経節炎(dorsal root ganglionitis)は,脊髄の後根神経節に存在する感覚神経細胞体が選択的に障害される病態であり,末梢神経障害の一亜型として感覚性ニューロノパチー(sensory neuronopathy)とも呼ばれる.その多くは傍腫瘍性神経症候群やSjögren(シェーグレン)症候群(Sjögren syndrome:SjS)など何らかの疾患を背景にもち,二次的に発症する.後根神経節炎は神経内科医にとっては少なからず経験する病態であるが,本誌では特集や総説もこれまでになく,本誌の読者に多い整形外科医や脳神経外科医にとってはあまり馴染みがないかもしれない.しかし,後根神経節炎は髄節性の感覚障害をきたし,また原因疾患のため発症年齢も中高年が主となることもあり,脊椎脊髄疾患との鑑別はきわめて重要である.
本稿では,実際に頸椎症と間違えられた症例を提示し,後根神経節炎の診断のポイントと,最も重要な原因疾患の1つであるSjSを中心に解説する.
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