髄内腫瘍摘出をより安全に確実に行う工夫

Safety Surgical Strategy for Intramedullary Spinal Cord Tumors

はじめに

　脊椎脊髄外科の分野で，脊髄髄内腫瘍は術後神経症状の悪化を起こしやすい難治性疾患である．遭遇する機会は少なく，髄内腫瘍患者を診察した際は，髄内腫瘍を多く扱っている専門施設に紹介され治療されることが多い．そのため，臨床経験を積むことが困難である．本稿では，senior authorが名古屋大学，浜松医科大学で蓄積してきた経験，実践をもとに，髄内腫瘍治療の考え方，手術前の髄内腫瘍患者への説明や準備，手術タイミング，より安全に行うための方法や手術手技における重要なポイントを手術加療の頻度の高い^4）上衣腫，血管芽腫，海綿状血管腫の症例をもとに述べる．