経大腰筋側方アプローチを応用した椎体置換術

Thoraco-lumbar Anterior Corpectomy and Fusion with Trans-psoas Lateral Approach

はじめに

　側方経路腰椎椎体間固定術（lateral lumbar interbody fusion：LLIF）は，2006年にPimentaらによって報告され^6），2013年より本邦でも導入された手術手技である．基本的な手技は従来からの後腹膜外経路による腰椎前方固定術であるが，小皮切で展開可能な開創器と椎体横径に及ぶ巨大なケージにより，出血量や疼痛の軽減，前方解離による高い矯正力と，巨大なケージによる良好な固定性と安定した骨癒合が得られるとされ^2,12），腰椎変性疾患や成人脊柱変形の手術に対する治療法として近年急速に広まっている^7）．

　この手技を応用し，小皮切で展開可能なLLIF用の開創器を用いることで，椎体間固定術だけでなく椎体置換術も可能である^3,8,9,11）．近年，LLIF同様の椎体横径に及ぶ幅広いプレートを組み合わせた伸延ケージも使用可能となっている．本稿では，主に骨粗鬆症性椎体圧潰に対する，経大腰筋側方アプローチを応用した椎体置換術の実際，有用性と注意点について述べる．