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特集 NMOとMSの最新情報
NMO(neuromyelitis optica)の最新の診断基準
Update of Diagnostic Criteria of Neuromyelitis Optica
松本 勇貴
1
,
藤原 一男
2
Yuki MATSUMOTO
1
,
Kazuo FUJIHARA
2
1脳神経疾患研究所附属総合南東北病院神経内科
2福島県立医科大学医学部多発性硬化症治療学,脳神経疾患研究所多発性硬化症・視神経脊髄炎センター
1Department of Neurology, Southern TOHOKU Reserch Institute for Neuroscience and Southern TOHOKU General Hospital
キーワード:
視神経脊髄炎(neuromyelitis optica)
,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorer)
,
抗アクアポリン4抗体(anti-aquaporin-4 antibodies)
Keyword:
視神経脊髄炎(neuromyelitis optica)
,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorer)
,
抗アクアポリン4抗体(anti-aquaporin-4 antibodies)
pp.736-741
発行日 2017年8月25日
Published Date 2017/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200683
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視神経脊髄炎の概要
視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)は,重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経の炎症性疾患である4).古くは1804年にルイ18世の主治医でもあったPortalが,多発性硬化症とは異なり脳病変のない脊髄炎および視力障害を呈した患者の剖検例を報告しており,NMOの最初の報告と考えられる6).1894年にDevicにより急性の視神経炎と脊髄炎の剖検症例がneuro-myélite optiqueとして報告され,以後Devic病とも呼ばれるようになった.従来NMOは,特にアジア諸国などでは多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)の一種であり視神経脊髄炎型MSとも考えられていた.しかし,2004年にLennonら12)によってNMOに特異的な自己抗体NMO-IgGが発表され,翌年にはNMO-IgGはアストロサイトに密に発現するアクアポリン4(aquaporin 4:AQP4)に対する自己抗体(AQP4-IgG)であることが判明した.これによりNMOの理解,診断および治療は大きな進歩を遂げ,MSとは異なる疾患であると考えられるようになった11).本稿では,NMOに関する診断基準の変遷と現在の診断基準について述べたい.
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